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白紙の図書館とは?

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2016年9月25日やぶきたと鶴松改訂版#001 [小説:やぶきたと鶴松]

お久しぶりです。
とりあえず、生きてます。
最近は再び起動するため、準備中です。


そこでこの小説「やぶきたと鶴松」ですが、
とあるサイト様の投稿コーナーに
掲載したのですが、まず長いので
読まれないという(苦笑)


そこで数少ない感想をもらい、
教わったことを踏まえ、
加筆したんです。


とりあえず今日から
改訂版を載せていきます。
一回の公開のテンポは上げていきます。


その事を踏まえて
楽しんでいただけたら幸いです。


 東京オリンピックまでの秒読みが開始された年の夏。
暑い日が続く中、今日も店内は閑古鳥が鳴いている。
店の座席はさほど多くないが、
それを差し引いても十二分に殺風景だ。
一縷(いちる)の望みを込めて厨房から覗いてみるが、
目の錯覚ではない。昼飯時なのに客の姿は残念だが、無い。
「……あー……ヒマだなぁ……こんなにヒマなの大学以来だよ」
 店主、波橋達也は半眼で無人の店内を見て、
言ってはいけない言葉を口にしてしまった。
そしてまず、大学に失礼である。
 黒髪、短髪。店オリジナルの
Tシャツに袖を通し、エプロンを着用。
 一応、手打ちが売りの蕎麦屋である。店の内観は老舗そのもの。
タツヤはまあまあ格好いい。あくまでもまあまあである。
 頭をポリポリと掻き、あくびが止まらない。
「店長……まだまだこれからですよ!!
団体のお客様がぶわぁ~っと来るかもしれないじゃないですか。
ぶわぁ~っと。ほら、どこぞやの国の爆買い集団が
オー、コレガニホンのソバネー。クウベクウベ!!
なーんて言いながら1億……いや1000万分の1の
確率で、ホラ、どわっと」
「いやいや。その確率だったら俺、宝くじ買うわ」
 ちなみにだが1000万分の1の確率は宝くじ
1等の当選確率と同じ。
 ……この店唯一の女子高生のアルバイト店員、
今村千春のそのポジティブな自信は
どこから湧いてくるのだろう。
テンションの高さなら国宝級である。
 千春ちゃんは小柄でいて、嫌みのない茶髪を肩まで伸ばし、
笑顔が似合う元気娘。
 服装はタツヤと同じく店のTシャツとエプロン。
 暇を持て余して、テーブルを拭くこともう三巡目である。
「前向きだなぁ、千春ちゃん……。
少しでいいから分けてほしいよ……。」
「私のでよければ少しと言わず、どんだけでも!!
さぁさ、どうぞー!! 」
 そういって胸を張りだす千春ちゃんの行動が
タツヤの口から思わずため息を導き出す。
「……ごめん、その元気、逆に痛いよ」
「……すみません、私も若干、無理してます」
「……だよなぁ……」

 ここは最寄駅から徒歩4分、
なかなかの好立地にある蕎麦屋『やぶきた蕎麦』
 その蕎麦の味は天下一品で、香り豊かでのど越し抜群、
コシのある麺に、爽やかなつゆが絡み、風味が広がる。
 過去には皇族も口にしたことがある由緒正しき名店……。

 ……というのも昔の話。今は客足が途絶え、
昼間のワイドショーをずっと見ていても営業に
差し支えないくらいである。
 店主波橋達也はこの店の三代目になる。
先代、先々代は本当に立派な職人で、
この時間だと間違いなく、行列ができていた。
 それもそのはず。タツヤも本当は店を継ぐ予定ではなかった。
実際、つい最近まで経済学部の大学生だった彼は、現在21歳。
何となくサラリーマンになるはずが、大学を泣く泣く中退して
店を継いだ。店を継いだ理由は単純明快。先代の母、
波橋和美が交通事故でこの世を去ってしまったからである。
 それまでタツヤは蕎麦打ちはおろか、理全般、
ろくに修業をしてこなかった。
 常連、ごひいき筋は味の劣化に敏感に反応し、
ぱたりと姿を消した。
 中退したその後は衛生管理の資格と
調理師免許を何とかとった。
……成績はギリギリだったが。そんな男の蕎麦なので、
味は……。察するに余る。
この店の状態を見れば明らか。帳簿も真っ赤。
売り上げグラフは右肩下がりだ。
 今はたまに間違えて入って来る客からの収入で食いつなぐ、
綱渡りな経営状態。いつ店をたたんでもおかしくない、
ギリギリのデッドライン上にポジションを取っていた。
千春ちゃん一人を雇うのもやっとである。

「……なぁ、千春ちゃん」
「何ですか?」
 遅めのまかない……念のため、昼食時を避けて取った
遅めのまかないのかけ蕎麦をすすりながらタツヤは
千春ちゃんに聞いてみる。
「バイトだったら、もっと好条件な店はいっぱいあるだろ?
何でウチにいるんだ?まあ、現状は大助かりなんだけどさ」
 タツヤは前々から不思議に思っていた。
千春ちゃんは小柄で愛嬌もあり、看板娘には持って来いなので、」
ありがたいことではある。
「え、えーとですね……こ、ここのお蕎麦大好きなんです、実は」
「ゴメン、俺本人でも、嘘ってわかるわ。悲しいけど」
 彼女のお目当てはお世辞でも美味いとは
言えない蕎麦ではなく、雀の涙ほどのバイト代でもない。
目的は店主タツヤそのもの。
 この店は千春ちゃんの通う高校の通学路で、
タツヤの事をいつも見ていた。
 良く言えば一目惚れ、悪く言えばちょいストーカーの恋を
している。 その勢いで入店したが、この劣勢の中でも
タツヤの側だと和むようだ。
 しかし、そんなポジティブな彼女でもまだ、タツヤに恋心を
抱いていることは伝えられないでいる。多少、息荒げな時も
あるが、タツヤへのアピールにはなっていない様で。
『こういう所』はタツヤは鈍感である。
「そうだ。今度、制服で接客……いや、ごめんなさい」
「うん、捕まる」
 たまに……だが、千春ちゃんはとんでもない所に行くことが
ある。まあ、そこまで経営状況は追いつめられていた。
 ……内心タツヤも「いいね」と思いそうになったほど
精神状態もやヴぁい。

 昼休みは終わったが、ヒマには変わりない。
タツヤはおもむろにTVをつけ、千春ちゃんと共に
ワイドショーを見ていた。今日のテーマは今話題の、
セクシー霊媒師恐山(きょうやま)ミキ特集。
長いストレートの黒髪に、ばっちりケバケバメイク、
ミンクの毛皮のコートの下は純白のスリットの入ったドレス。
いつの時代の女なんだ、おのれは。
 テレビ用の演出なのだろうが、派手という言葉は
この女のためにある。タツヤの第一印象はまさにそうだった。
「あ、恐山ミキ、また出てるんですね。
イタコアイドルなんて新境地でしょ」
「最近、TV出過ぎだよな。なーんか目に痛いんだよなぁ。
最近、えげつないタレント多いし。
……違いといえば頭はいいってとこくらいか……」
「店長。そんなんじゃ、今のティーンズに置いてかれますよ?」
「……そんなにジジくさいかな、俺?」
「……たまに」
「たまにか」
 恐山ミキはトークも達者で時事ネタにも強く、教養もある。
霊媒師の能力は正直、まゆつば物だが、
世間はかなりの割合で信じているようだ。
 TVで観ない日は無いと言ってもいいほどでマスコミ好きで
出演料も霊能の依頼料も相当、高額らしい。
 千春ちゃんはお笑いタレント扱いでいつも見ている。
 タツヤの方はこういう芸能人はどうにも
好きになれないでいた。そのせいか、彼女を見るとつい、
苦い顔になる。
「あー……きっと、すんごく儲けてんでしょうねぇ……」
「頼んだら分けてくんねぇかな」
「無理でしょ」
「無理か」

続く


今日の一曲
タイトル:FOLLOW ME(Full Ver.)
アーティスト:SNK PLAYMORE
アルバム:THE KING OF FIGHTERS XIV Original Soundtrack Disc3

THE KING OF FIGHTERS XIV オリジナルサウンドトラック

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  • 出版社/メーカー: ティームエンタテインメント
  • 発売日: 2016/09/21
  • メディア: CD

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